降格は悲劇にあらず。失敗から学ぶのがプロ

中山です。

この時期になると、J1昇格・降格など、ドラマチックな展開がどんどん出てきますね!

その中でも残留争いは白熱!

 

Jリーグの付き物となる光景をしっかりと見ていきましょう!

 

残留の望みが・・

試合には快勝しながら、残留は叶いませんでした。

目の前でさっきまで必死の形相で戦っていた選手が、一転して涙目に。

C大阪対柏の試合で、他会場の結果を固唾を飲んで待ち続けたサポーターの目からも熱いものが零れ落ちました。

試合そのものは高い位置でポゼッションするC大阪を、柏がブロックを作って待ち構えカウンターを炸裂。

おもしろいようにそれがはまりました。

 

柏は3点を奪い、しかも完封。

苦戦を続けた今シーズンの中でも、際立った内容でした。

どうしても欲しかった勝ち点3を手に入れるました。

 

しかしシーズンは長く、そのツケは大きかったのです。

自らの手ではどうにもならない他力の状況は、柏に好転することはありませんでした。

 

この時期のJリーグの付き物となる光景

確かにこの季節になると付き物の光景とはいえ、やはり複雑な思いになります。

降格したこともそうですが、柏が来年1年をJ2で戦って、確実にJ1に昇格できる保証はどこにもありません。

 

実際、昨季の成績不振で今季J2を戦った甲府、新潟、大宮の3チームはすべてJ1昇格を逃しています。

今思い描くバラ色の未来は、まったく絵に描いた餅に過ぎず、J2の猛者たちはJ1エリートを餌食にしようと、手ぐすねを引いて待っています。

 

 

大宮の石井正忠監督は昇格を絶対目標にJ2を戦ったものの

「J2で戦っていく上で、最初の何試合かはJ2の戦い方に戸惑ったのは正直なところ。うまく波に乗ることが出来ず、いってしまったことが最大のミス」

と語りました。

J1鹿島を優勝させた手腕を買われての抜擢でしたが、J1とJ2ではサッカーそのものが違ったのです。

 

容赦なくガチガチに守ってくる相手に手を焼き、攻め急いでカウンターで失点という、まさにJ2的な戦いはJ1にはないものです。

来季の柏もJ2を圧倒的な戦いで制し、そのままJ1で優勝できるレベルの戦いをと考えているでしょうが、世の中はそんなに甘くありません。

 

ネルシーニョ監督を招聘?

報道では柏は以前指揮を執ったネルシーニョ監督の招聘を考えているといわれています。

まさにJ1昇格、即優勝を実現した名将です。

しかし事がそんなに簡単に運ぶのでしょうか?

 

プレーオフ

一足飛びに来季の話をしましたが、降格に目を戻しましょう。

現時点でJ1からの降格が決まったのは長崎と柏の2チーム。

J1の16位のチームはプレーオフに回ることになっています。

この1チームがどこになるのかは、最後の最後まで分かりません。

 

逆にJ2サイドも決定戦に出場する1チームを決める戦いは横浜Cと東京Ⅴの対戦となりました。

J1の最終節も、J2の決定戦出場プレーオフも熱い戦いになることは間違いありません。

 

ただここに至るまでに長い時間が費やされました。

どのチームもプロが仕事をして、これで勝てると考えて万全の準備をしてきたはずです。

ところがふたを開けてみるとまったく違った結果になっています。

 

お金をかければ勝てるわけではない

確かにプロスポーツはお金をかけたから、その分確実に結果が生まれるという類のものではありません。

一般のビジネスモデルが通用しないといってもいいのです。

それが醍醐味ともいえるのですが、本当にプロの仕事をしたといえるチームがどれだけあったかという思いにもなります。

 

例えば筆者の住む関西では、大阪の2チームは飛躍を期待されましたが、C大阪は昨季の2冠に対して無冠が決まりました。

G大阪に関してはクルピ監督を招聘したにも拘わらず、成績は超低空飛行を続けました。

結果途中解任。

後任の宮本恒靖監督になってから破竹の連勝を続けていますが、それは結果論です。

ではなぜ強化部は宮本監督ではなく、クルピ監督を招聘したのかということになります。

 

更に神戸はバルサ化を宣言し、吉田孝行監督を事実上の途中解任。

リージョ監督を迎えました。

まだチームにそのサッカーが根付くまでにはいっていません。

そして唯一のJ2である京都ですが、昨季布部監督を起用し低迷したのにも関わらず今季も続投。

サポーターからも不安の声が上がりました。

 

まさにそれが的中。

まったく浮上の兆しなく、一時はJ3降格すら危惧されました。

結果途中解任。

 

その後も一度も浮上することなくシーズンはあっという間に終わってしまいました。

こうしてみると、これらのかじ取りをしたのはいったい誰なのかと思わずにはいられません。

 

みんなプロを標榜し、高いサラリーを貰っているフロントがやっている仕事のはずなのですが…。

勿論素人でできる仕事ではないのですが、逆にプロといっても素人に近い人がいると思わずにいられません。

実際強化部の責任者がクビになったという話もちらほら聞かれています。

当然といえば当然でしょう。

 

監督解任劇

例えば柏のように降格が目前に迫ってきて、監督の首をすげ替えるチームがあります。

それがチームの現状を打破すると思ってやる場合もあるでしょうが、往々にしてそれは切羽詰まって、選択肢がなくなり仕方なしに選んでいる場合もあります。

 

極端にいえばサポーターのガス抜きにすぎないケースもあります。

しかしここに至るまでに、何かできるチャンスはいくらでもあったはずです。

 

何を根拠にチームが上向くと思ったのかは知りませんが、現状を最後の最後まで引っ張ってしまい、その挙句プレッシャーしかない状況の中で試合をせざるを得ない状況を自ら招いただけです。

 

極論ではなく最終節の勝ち点3も、開幕説の勝ち点3も数字上はまったく等価なのです。

数字は常にドライ。今更何かをして好転することなど、ほとんどありません。

過去奇跡の残留がなかったとはいいません。しかし大半のチームは落ちるべくして落ちている。

そう断言できます。

 

「まだ開幕だから」

「まだシーズンも中盤だから」

 

といっている関係者がチーム内にいたら、それは甘い。

 

過去の降格ケースから学ぼうとしない素人がチームを強化などできるはずもありません。

降格を目の当たりにして、毎年思うことです。失敗から学ぶのが本当の人間だと強く思うのです。