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ヴィッセル神戸が目指すバルサ化について聞いてみた!

 
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中山です。

先日、『イニエスタ対フェルンド・トーレス』という、サッカーファンなら注目しないわけがない対決が実現しましたね!

今回はそのヴィッセル神戸についてお話を聞いていきます!

 

元スペイン代表対決が実現!

選手のコメントを取る場所を筆者の世界では『ミックスゾーン』と呼びます。

選手とマスコミが混在する場所という意味になるでしょうか。

11月9日の試合後のミックスゾーンには多くのマスコミが駆けつけていました。

それもそのはず『イニエスタ対フェルンド・トーレス』のJリーグ初対決が実現したからです。

 

両者は既に天皇杯で対戦済みでしたが、その時のホームは鳥栖でした。

今回は神戸で対戦が実現したことで、スタジアム全体に興奮が感じられました。

それは数字にハッキリと表れていて、この日スタジアムに詰め掛けて観客は2万6603人と、神戸の試合としては今季最高を記録しました。

イニエスタ加入後は観客動員も鰻上り。その頂点に達した感じでした。

 

そしてミックスゾーンには筆者から見て右側にイニエスタ、左手にトーレス、そしてその奥にポドルスキ。

一番遠いポドルスキですら距離にして約5メートル。

一瞬W杯のスペイン対ドイツの後かと思いましたが、日本の記者団が沢山いるから辛うじてここが日本と分かる、そんな感じでした。

 

試合のほうはイニエスタはその技術の極みを見せる場面が多々ありましたが、トーレスには関してはその能力をチームが活かせていない印象でした。

神戸がボールを握って、鳥栖がカウンターで応酬するという展開。

ただ最後までゴールは生まれずスコアレスドローに終わりました。

残留争いが激しいですが、ともに貴重な勝ち点1ということになりました。

 

ただ今回、ここで書きたいのはその試合リポートではなく、神戸が目指している『バルサ化』の取り組みがどこまでうまくいくかについてです。

 

ヴィッセル神戸が目指すバルサ化

皆さんご存知のように神戸の親会社は楽天です。

その楽天は先シーズンからバルサの胸のスポンサーになっています。

 

その関係もあってクラブはバルサのサッカーをひとつのモデルとして、トップチームからアカデミー全体をショートパスを多用するサッカーに変えていこうとしています。

 

トップチームの指揮官にはスペインでは戦術家として知れるリージョ監督が座りました。

よくいわれますが、あのペップ・グアルディオラ監督(現マンチェスターシティ)が師匠と仰ぐ人物です。

 

この試合の中でも崩しの形はかなり洗練されてきたことが分かりました。

ただイニエスタがいるからいきなりバルサのようなサッカーができるわけではありませんし、戦術が浸透するにはまだ時間が必要になります。

それでもひとつ印象的だったのはポドルスキがイキイキしてプレーしている場面が多かったことです。

 

昨年や今季途中まではいら立ちを隠せないという感じでしたが、ベストパートナー(イニエスタ)の存在ゆえか、それとも指導者のサッカー観に共鳴しているのか、いずれにせよ楽しそうにプレーしていました。

試合後のミックスゾーンでもにこやかな表情でした。トップに関しては着々とバルサ化は進んでいるように思えます。

ただ実際にバルサ化というはどういうことでしょうか?

 

バルサ化というのはどういうことなのか?

極端にいえばグアルディオラ監督を連れてくれば、チームは明らかにバルサスタイルのサッカーをするようになります。

しかしグアルディオラが率いたバイエルンも、シティも、決してそれをバルサ化とは呼びません。

 

それはグアルディオラ監督のスタイルだからです。

 

極論ではなく監督が代われば、またサッカーも大きく変わる可能性が高いのです。

もしシティにモウリーニョ監督がきたなら、まったく違うタイプのサッカーをするでしょう。

繰り返しますが、バルサ化ということはどういうことか?

 

それはクラブの哲学を築き、それを曲げないということに尽きると思います。

その哲学はトップチームからアカデミーの一番下の学年にまでに行き渡り、数十年単位でそのスタイルを継承し、進化させていくということです。

 

「今日からバルサ化します」 といって簡単にできるものではないのです。

 

JFLの今治FCの場合

ひとつのモデルケースがあります。

JFLの今治FCは、日本代表監督を務めた岡田武史氏がオーナーで、非常にバルサに近いサッカー観をアカデミーまで共有しています。

岡田氏がスペインのサッカーの中に『型』のようなものを見出し、『岡田メソッド』に集約しました。

それをクラブとして徹底し、将来はバルサがスペイン代表のサッカーを変えたように、2025年までには今治から5人の日本代表を出し、日本のサッカーそのものを変えるという壮大な目標を掲げています。

 

ただそのサッカーはアカデミーの内に習得しておかないと、大人になってからでは身につけることができないと岡田氏は話しています。

だからこそ子供たちに『型』の重要性を理解させ、身につけさせる。

今治がJに上がってきたなら、モデルケースとして非常におもしろいクラブになるでしょう。

 

今治と神戸の決定的な違い

一方の神戸ですが、こちらは圧倒的な資金力があります。

トップチームだけでなく、イニエスタの人脈でアカデミーにバルサの育成担当経験のあるスペイン人指導者を招き入れました。

イニエスタ自身がバルサのアカデミーのことは身をもってよく知っていますし、誰が適任かを分かっています。

イニエスタが神戸でプレーしているうちに、とにかくクラブとしては少しでも彼から吸収し、アカデミーを徹底的にバルサ化するはずです。

 

ただ今治と神戸には大きな違いがあります。

それはオーナーがサッカーを知っているかどうかという根本的な部分。

選手育成には時間が必要ですが、神戸の三木谷オーナーはIT業界という、いわば秒速で動く世界の人です。

ビジネスの判断は即断即決でいいのでしょうが、スポーツは違います。

時間的猶予をどれだけ与えることができるかなのです。

 

事実過去に神戸の指揮官を務めた西野朗氏(前日本代表監督)は 「オーナー型のクラブは難しい」 と、結果を早急に欲しがることに苦笑いを見せたことがあります。

スポーツはこれだけの投資をしたから、相応のリターンが見込めるというようなものではありません。

バルサ化にお金を投じたから、これだけの結果が出て当然と考えてしまいがちですが、それは期待通りに進むものではないのです。

 

もちろん三木谷オーナーはアカデミーへの投資を惜しまず、その出身者がトップチームで活躍することを誰よりも願っていることは確かです。

実際にTwitter上では、それをコメントしています。

バルサ化を進めると宣言した段階で、相当の覚悟を持っていると考えるほうがいいでしょう。

そこに期待をしたいと思います。

 

一つの懸念

ひとつの懸念とすれば、イニエスタが神戸を去り、バルサと楽天のスポンサーシップが終わりを告げた時、バルサ化は継続できるのか?

金の切れ目がすべての切れ目になってしまうのだったら、それは哲学を共有することにはなりません。

一番重要なのは数十年かかて『哲学』を自分たちのものにする覚悟があるかどうかなのです。

その部分がないがしろにされれば、所詮は絵に描いた餅、仏作って魂入れずになってしまうでしょう。

神戸が日本のサッカーを変えることができるのか。

長い目で見ていきたいと思います。

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