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日本人は日本で育成が基本?その背景とは?!

 
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中山です。

今回は世界のマーケットの中で評価される選手の基準について話を聞いていきたいと思います。

 

 

評価される選手のひとつの基準

世界のマーケットの中で評価される選手のひとつの基準について話しをしたいと思います。

 

その基準とは『年令』です。

 

バルサ、レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン・ミュンヘンといったいわゆるメガクラブに移籍する条件を年令というポイントで考えてみます。

 

ビッククラブでは?!

そこでまず日本の基準はどうか?日本の場合、20年ほど前であれば18歳で高校サッカーを終えた選手、もしくは大卒の22歳がプロになる一般的なタイミングでした。

最近ではJユースが増えたことで下部組織からの昇格か、その下の年令で2種登録のままプロの試合に出る選手が増えました。

また高校もしくは大学に在籍していても特別指定選手制度によってJリーグの試合に出場できる選手も沢山見受けられるようになりました。

 

しかし現実的に10代で海外のトップリーグでプレーする日本人選手は皆無です。

敢えていうとベルギーのシントトロイデンでプレーする冨安健洋が19歳でプレーしているのと、レアル・マドリーの下部組織で中井卓大が所属しているくらいでしょう。

 

 

ほとんどの選手がJリーグを経由

ほとんどの選手がJリーグを経由してということになります(冨安もそうですが)。

FIFAの国際移籍に関するルールが厳格化の一途をたどり、異国でサッカーをすることは非常に難しくなりました。

 

これはテニスの錦織圭が早い段階でアメリカの育成組織に拠点を移したのに比べて、実に対照的です。

ただルールはルールです。それによって久保建英選手のようにバルサからJに戻った(戻らざるを得なかった)ケースもあります。

 

日本人は日本で育成が基本

サッカーの世界では日本人は日本で育成が基本なのです。

もうひとつ日本人が海外に出るタイミングが遅れる理由があります。

それは日本人(あるいはアジア人種)の遺伝的特性です。

ヨーロッパの選手に比べてフィジカル的成熟が遅れる傾向が強く、10代でのヨーロッパ挑戦はかなり厳しいものになることが多いのです。

 

実際育成年代でヨーロッパでプレー経験のある選手で

「日本人はフィジカルが完成してからでないと、向こうでやるのは難しい」

と話す人もいます。

 

フィジカルは大きな武器

先述した冨安は188cmありますし、中井は日本でいえば中3で既に177cmあります。

やはりフィジカルは非常に大きな武器になることは間違いありません。

 

ただ一般的な日本人選手は20代半ばに初めてヨーロッパに挑戦ということになります。

しかし海外のマーケットでは20代半ばにヨーロッパに渡ってきたばかりの選手にメガクラブがオファーを出すことはあり得ません。

 

一つの例

2016-17シーズンの夏のマーケットでバルサが獲得した5選手の内オランダ代表のGKシレッセンひとりを除いて、他のウムティティ、ディニュ、アンドレ・ゴメス、デニス・スアレスらは全員が日本でいえば大卒の年令に当たる選手だったのです。

 

しかも全員が代表経験のある選手。

 

日本でこの年令で代表経験のある選手を探すのはかなり難しいことです。

 

 

森保一監督になって日本代表メンバーは一新されましたが、22歳より若い選手となるとなかなかいません。

 

先述した冨安選手以外に堂安律(フローニンゲン)くらいです。

確かにメガクラブが22歳の選手ばかりを欲しがるわけではありませんが、ひとつの基準として22歳くらいにはスペイン、ドイツ、イタリア、イングランド、フランスのいずれかのリーグの中堅クラブ以上のクラブでプレーしていないと、メガクラブに移籍するのは非常に難しいのです。

 

FIFAルールで18歳にならないと海外移籍が事実上できないのですから、日本人はここからの4年でどこまでステップアップできるかを考えなくてはなりません。

 

ある高校サッカーの指導者が・・

実際筆者の知り合いで毎年Jリーグに複数の選手を送り出している高校サッカーの監督は、

 

「FIFAのルールがなければ15歳までに海外に出たほうがいいと思う日本人の選手がいます。しかしそれは無理なのでできれば18歳のタイミングでとにかく海外に移籍するほうがいいと思います。

高体連だと『じゃぁ選手権は?』という話が出ますが、ヨーロッパの18歳が国内のユースリーグで優勝することを目標にしますか?しないでしょ?彼らは18歳でチャンピオンズリーグに出ることを目標にしています。

実際うちのサッカー部の選手に入学した時に『目標はなんだ?』と訊いて、『選手権です』と答える選手がいます。

そういう選手には『ハメス・ロドリゲスは18歳の時にコロンビアのユースのリーグで優勝を目標っていうと思うか?』と訊くと、みんな下を向きますね。

プロを真剣に目指している選手はハッキリと『プロになることです』をいい切ります」

 

突き詰めればこの差なのです。22歳にメガクラブに移籍する、そこから逆算して18歳にはどのレベルにいなくてはいけないのか?

じゃぁ15歳の時にはと考えられる選手こそが将来的にヨーロッパでプレーできる選手ということになります。

しかし現在の日本の環境でそう考えることは非常に難しく、同時にそのベースを作ってあげられる指導者が決定的に不足しているのが現状です。

 

ひとつには戦術面での遅れ

未だに12歳までのジュニアに戦術は必要かという議論が日本にはあります。

ヨーロッパにはそんな議論はありません。なぜなら必要に決まっているからです。

 

議論の余地はないのです。

 

しかし国を問わず子供たちの未来は指導者のサッカー観に大きく左右されます。

日本では12歳までにやっておかなくてはならないことができていないから、それをジュニアユースでやらなくてはならない。

 

ヨーロッパなら16歳までに完成してあって当然の戦術的な動きを、まったく教わったことがないから、それを結局高校年代でやらざるを得ない。

 

全部が後回しになっています。気が付いた頃には世界のマーケットではベテランといわれる年令に達している。

 

頭で考えていたのでは遅い

ブンデスリーガ2部グロイター・フュルト所属の井手口陽介は、若くして海外に渡りましたが、戦術面で苦戦しています。

戦術的動きが体にしみ込んでいないがゆえに、ずっと考えながらプレーしているそうです。

しかしサッカーは瞬時に判断し、それと同時に体が動き出さなくてはならないスポーツです。

頭で考えていたのでは遅いのです。

 

逸材といわれた彼がヨーロッパで通用しない最大の理由が戦術理解度です。

その基礎を作っていなくても、日本でなら何となくやって何とかなってきたのでしょうが、ヨーロッパではそれは通用しません。

 

おっさんジャパン

ロシアW杯の日本代表は平均年令が高く“おっさんジャパン”といわれました。

しかしこれは当然で、日本の育成年代で彼らがやっておくことができなかったことを、彼らは海外に渡ってから個人で勉強して身につけたから、選手としての完成が遅れてしまったのです。

 

特に乾貴士(ベティス)はスペインにいってから、戦術的に多くのことを学びました。

元々足元の技術は抜群でしたが、戦術がないゆえに宝の持ち腐れ状態でした。

しかし戦術をおぼえたことでその技術がより活きることになりました。

 

戦術練習不足と身体的成長の遅れ

海外でサッカーを学んできた日本人指導者の多くは、日本では育成年代で戦術的練習をしていないことを問題視します。

同時に練習のやり過ぎによって身体的成長が遅れてしまうこと嘆きます。

しかし日本しか知らない指導者は、これが正しいと思っています。

 

結局井の中の蛙大海を知らずという言葉が日本のサッカーには最も相応しいのかもしれません。

 

ハッキリ書いておくと、井手口の例でも顕著ですが、Jのアカデミーですら戦術的な指導が行き届いているとはいえません。

これは海外でプレー経験があり、将来を嘱望されている日本人選手の声です。

諸般の事情でそれが誰かを書けないのが残念ですが、危機感を持たないといけないことは事実です。

 

日本は周回遅れ

世界のレベルから見れば日本は周回遅れといってもいい。

難しいことかもしれませんが、選手自身が情報収集をし、どういう指導者の下でサッカーをするのが一番世界への近道かを考えるしかないのが日本の現状なのです。

特に選手が育成年代の場合、親が勉強することも重要だというのが実感です。

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