高校サッカー決勝戦から観るGKとDFの連携

第99回全国高校サッカー選手権大会は山梨県代表・山梨学院高校の優勝で幕を閉じました。

優秀選手にも名を連ねた山梨学院の熊倉匠選手は、PKストップでチームを勝利に導きました。

トーナメント形式ということで、最後の最後はゴールキーパーの本質となる「シュートストップできる」GKが残ったという結果に。

ただ、準優勝だった青森山田高校も一時はリードを奪うことに成功しながら敗れてしまいました。

ポイントとなったのは、2-1と青森山田高校がリードしていた後半32分です。

誰もが迷う状況が、チームの勝利を遠ざけてしまいました。

【高校サッカー決勝戦から観るGKとDFの連携】を詳しく解説していきます!

 

後半32分のリスタート

2-1でリードしていた青森山田が山梨学院にフリーキックを与えてしまいました。

その時にすばらくりスタートした山梨学院。

まずは失点シーンをご覧ください。

早いリスタート

山梨学院の素早いリスタートから、7番の笹沼航紀選手にボールが渡ります。

少し前にドリブルし、18番の山口丈善選手にスルーパス。

青森山田の2番の内田陽介選手と競り合いました。

強引に前に行こうとする山梨学院の山口丈善選手と、体を入れようとする青森山田の内田陽介選手。

そこに、青森山田の韮澤廉選手が前に出てきました。

ここが大きなポイントとなったシーンでした。

 

スタートのポジションの修正で守れたシーン

結果的にミスした形となった青森山田は、ボールを保持することができず、山梨学院の10番の野田武瑠選手が左足でゴール。

ではなぜゴールキーパーとDFの連携ミスが起こったのか?

ポイントはスターティングポジションでした。

見てわかる通り、蹴られるボールに対して青森山田の韮澤廉選手のポジションが下がり気味なのがわかります。

ゴールキーパーはDFと連携してDFの背後のスペースを守ることが必要です。

しかしながらポジショニングが低いため、DFの背後のスペースを幅広く守ることができません。

このポジションをゴールエリア付近前まで前に出ていれば、結果は変わったとみています。

 

ポジションが判断を狂わす?

DFと相手が競り合っているにもかかわらず、前に出て行ってしまった判断。

やはり、ゴールキーパーの【出る・出ない】の判断・ジャッジが大切です。

ゴールキーパーより仲間DFがボールに近いのであれば、任せるところは任せましょう。

ポジションが良ければ、その判断への時間も短く、正確に行えることができます。

ポジションが下がり気味で、距離感が遠いにもかかわらず、慌てて出なくてもよくなります。

結果、この失点でPK戦まで持ち込まれてしまいました。

 

今大会で出てきたゴールキーパーの課題

私も全ての試合を見ているわけではありませんが、いくつか課題が見えました。

 

・カリスマ性を発揮するシュートストップ能力

・クロスボールのポジションとプレーのクオリティ

・GKとDFとの連携

 

この3つをあえてあげたいと思います。

チームとして戦い方があるため、あえて【フィールドプレーへの参加】という部分については触れません。

 

特に3つ目のGKとDFの連携が大きく試合を左右したと考えており、これはこの高校サッカー決勝戦に限らず、全てのシーンで多くの連携ミスが起こっているのです。

この部分はチームと連携するトレーニングを多く行うことが必要です。

 

どちらにしてもその連携ミスを諦めずにプレーした山梨学院の選手たちが素晴らしかったと思います。

結果的にはPKという残酷ですが、これも勝負。

また、今回の決勝戦のような名シーンを来年も見れたらいいなって思います。

 

山梨学院のみなさん、優勝おめでとうございます!

また、青森山田のみなさん、準優勝おめでとうございます!

そして、ゴールキーパーの優秀選手に入った【山梨学院の熊倉匠選手】【青森山田の韮澤廉選手】【矢板中央の藤井陽登選手】おめでとうございます!