YBCルヴァンカップ・決勝点のゴールキーパーのプレーを考察!

距離の長いシュートが、なぜゴールに吸い込まれるのか。

 

2018年YBCルヴァンカップの決勝戦をTV観戦しました。

結果は湘南ベルマーレが1-0で横浜•F・マリノスを下し、見事初優勝を決めました。

実際に失点した部分のゴールキーパーのアナリシス(分析)を今回ご紹介したいと思います。

 

決勝戦というとにかくモチベーションの上がる舞台

誰もが『決勝戦』となれば、モチベーションが上がるでしょう。

その大会の最後の試合、44242人の大観衆となれば、思い切ったプレーが出てくることは予想されます。

 

そういった大会のレギュレーションを頭の中に入れておくことも重要かと思います。

そうなった時、決勝点となった湘南ベルマーレの杉岡大暉選手の意外性のあるシュートは予測することができたかもしれません。

彼の顔は今でも今でも忘れません。

東福岡が全国高校サッカー選手権で優勝した時、市立船橋高校の最後のキッカーでした。

すごくパンチ力のあるキックはもちろん、安定したDFの能力。

どれをとっても素晴らしい選手でした!

 

失点シーンを考察

では、マリノスGKの飯倉大樹選手のプレーはどうだったのか?

私は何点かミスがあったと考えています。

 

杉岡選手にボールが入った時

高めのポジションを取る飯倉選手は杉岡選手にボールが入った時、正確なポジションを取ることができませんでした。

ボールがイレギュラーに人に当たってしまったのもありはしましたが・・・。

 

ボールを前に押し出した時

杉岡選手の前にはスペースができました。

そのため、杉岡選手はパワーを持って前にボールを押し出しました。

この時も飯倉選手は下がるのに一生懸命になっていました。

 

シュートされる時

シュートをされる時、飯倉選手はプレジャンプ(シュートに対して反応するために行う呼び動作)をも下がりながら行っています。

この動作がこのシーンの勝負の分かれ目でした。

 

結果的に

飯倉選手はプレジャンプの動作で身体が後ろに流れてしまい、結果的にダイビングにパワーがなくなってしまいました。

ダイビングシーンを拡大してみると、身体がボールへアタックしておらず、横方向に動いているのがわかります。

もちろん、全てのシュートが前にいけばいいのではありませんが、明らかにパワーのないダイビングになってしまいました。

 

どんな体制のシュート?

このシーンでのテクニカルポイントとしては、シュートモーションがどうだったかを予測できなかったことにあります。

杉岡選手の前にスペースができ、パワーを持ってボールを押し出した。

その時の杉岡選手の体はゴールにまっすぐ向いていました。

ということは・・・

 

パワーシュートが考えられたのです。

ということであれば、下がりすぎることなく、シュートアングルを狭めることができるゴールエリア付近に再度前に出ることが必要でした。

 

ゴールエリアまで出るの?

はい、ゴールエリアまで前に出てきて構いません。

シュートアングルは7m32から約5mから4mまで減少します。

十分守れるエリアを作ることができたはずです。

 

ループシュートをやられるんじゃ?

いえ、杉岡選手のモーションはゴールに正対し、なおかつパワーを持ったドリブルでした。

そう考えれば、ループシュートの可能性は低かった。

 

もう一つは、ループシュートをされないタイミングで前に出ることが可能なため、そのタイミングで前に出ればよかったと感じています。

 

グレーにしない。

ゴールエリアが5.5mです。

私の考えとしては、ループシュートを打たれても下がればいいだけと思っています。

 

ここが海外と日本が大きく異なる部分です。

グレーゾーンにしてはいけないと感じています。

 

だから私は思います。

ゴールエリアまで出れば失点はなかった。

ループだったら下がれば対処できる距離感だった。

 

練習で行ったことしか試合ではできない

これを言い切れるGKコーチであってほしいし、選手にはそのプレーに不安になることのないことをしてあげよう。

 

『練習してるから大丈夫だよ。』

 

これを言い切れるGKコーチはどのくらいいますか?